こういう人は人事に向いていると思う3つの特徴。実務経験は後から何とでもなる

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この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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人事部門の方や人事関連事業を行っている方など、人事を軸にして多くの人に出会ってきたと思います。そして、これからも出会っていくだろうと思っています。今回は、人事という職種にたずさわっていくのに、「これは欠かせないだろう」という3点をあげたいと思います。私見にすぎないので、人によっては全く意見は違うのかもしれません。実は人事に興味があるけど、自分にできるかどうかわからない・・・とか、今後も人事としてキャリアを積んでいこうかどうか考えている・・・といった人にむけつつ、自戒もこめて。

人に興味があること

いきなり、何を当たり前のことを言っているんだ?と思うかもしれませんが、これは結構重要です。人事の中でも直接、社員と接する機会が少ない業務を担当している場合、「実務そのものに関心が高いけど、その先にいる社員への関心は無い」ってケースは多いです。

例えば大企業におけるC&B(Compensation & Benefit : 報酬福利厚生)担当の場合、社員への対応はHRBP(HRビジネスパートナー:事業部担当の人事)が行うことが多いので、社員との直接のやり取りは発生せず、HRBPなど他の人事部門スタッフや経理など他部門との接点がメインということがあります。そのためか、社員の給与・賞与というよりも「人件費」「統計値」としての視点でしか語らない人、何人か見たことあります(笑)。(もちろん、その視点も大切だけどバランスですよ・・・)

あるいは、人材開発担当者で「今年度はXX(例:DiSC、内田クレペリン(懐)など)を展開する」というように、「XX」という人材開発ツールのそのものに目がいってしまう方もいます。それによる効果やそもそも何でそのXXを導入するのかを考えておらず、自分の興味・関心やトレンドだけで行動にうつしている人は、(残念ながら)それなりにおります。人材開発担当者は担当業務から鑑みて、もともと学習意欲の高い方が多いので、そういった「誤った方向」に進みやすいと理解しています。

人材開発担当者はどうあるべきか・・・は↓で述べています。

さらには、どれだけ採用できたのかという人数にだけフォーカスするあまり、候補者の「キャリア評論家」のような言動をとる採用担当者もたまにおります。「この間の候補者は、うちに来るのは3年くらい早いんだよね」などと候補者のことを「論評」し、お前何様だよ!っていう方・・・。

社員に対する関心、人そのものに興味が無いというのは人事としては「やばい」です。具体的な行動としては、「社員の動き(入退社・異動)と組織体系が、自分の担当とは関係なく頭に入っている」ことです。何千人も社員がいる大企業の場合、全ての動きを把握することはできないとしても、人事発令などに目を通し、ある程度の役職以上の動きは掌握しているべきでしょう。これを上司の指示の有無に関係なく、やっていない方は、そもそも人事への適性は高くないと理解しています。

経緯をふまえて次を考えられること

新しいことを導入するだけなら、何とでもなります。特に別の会社から転職してきた場合、前の会社で使用しているけど、新たな会社ではまだ導入されていない制度や仕組みがある場合は、「その会社にとっては新しい」ことであっても、自分にとっては慣れ親しんだものなので、展開もしやすいでしょう。

でも、それを導入することによって、既存の仕組みと矛盾が生じるとしたらどうなるでしょう?そのようなことは全く気にしないで、マウンティングよろしく好きなことをやるのは「変革」ではなく、単なる自分勝手です。人事制度は会社から社員へのメッセージでもあります。社員は見ていないようで、会社のことをきちんと見ています。不自然な変化は、敏感にキャッチしていると思っていた方がよいです。

壊すだけなら誰でもできます。もし、現状の制度に大きな問題があり、明らかに変えなければいけない課題があったとしたら、今までどういう経緯だったのかをふまえて、次がどうなればよいのかをデザインしながら行動をとらねば、意味はありません。その辺に「気が回る」人が、人事として適性があると言えます。

土台を保ち変化できること

人事業務は役所に書類を提出する、給与計算をして社員に振り込む・・・といった定型的な業務から、制度を構築して展開する・社員の相談にのって然るべき対応をするといった非定型業務まで様々なもので構成されています。

特に定型業務を中心に行っていると、「今までやってきた非効率的なやり方を、疑いもせずに継続してやっている」というケースがよくあります。なぜ、そのやり方でやっているのか?をたずねると

前任者からのやり方を継続しているので、なぜなのかはわからない

というような回答をされることが多いです。「氏名・所属部門・住所」をほぼ同じタイミングで3つのファイルに入力するって、何かおかしくないでしょうか?毎月100件以上発生することがわかっているのに、全てマニュアルで入力するしか方法が無いのは何とかしたいと思いませんか(笑)?

確かに前任者のやり方でやれば確実に終わるかもしれませんが、時間は有限です。よく「人事は忙しい」と言われています。確かに忙しいタイミングはありますが、「単に非効率的なやり方を継続しているだけ」というケースの方が多いかもしれません(笑)。

「頑なに守り続ける」姿勢よりも、「土台は保ちつつ、変化に対応できる/対応しようとする」姿勢の方が人事とっては重要かと思います。

「人事にとってあると便利なもの」を続いて書こうと思いましたが、それは次回にします。

<2018年4月25日追記>資格を持っているかどうかは関係なく、実績をつくる方がよいという視点から「人事プロフェッショナル」について記載しています。

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