2016年9月に独立してから7年以上が経過し、その間に、多くの企業と接する機会がありました。一定期間、人事関連のご支援をした企業もあれば、残念ながらご縁がなかった企業もあります。ただ、そうした営みの中で気が付いた点があります。資本形態(日系/外資系)・業種(製造業・金融業・サービス業など)による違いは多少あるものの、それ以上に、「社員数≒規模」によって人事領域の課題は異なっているのではないか?ということです。
今回は社員数による規模を3つにわけて、どんな課題があったのかを(多少脚色もいれつつ)記載したいと思います。各課題に対する考えなど詳細については、それぞれ別記事のリンクをご覧ください。
小規模会社(社員数100名以下)の課題
こういった企業において、人事領域における課題としては以下のケースが多かったと思います。
人事評価制度の導入
社員数が増えてきており、誰がどんな業務にたずさわりどの程度の成果を出しているのかを社長が掌握できなくなってきている。また、給与があがるきっかけも無い。そのため、人事評価制度を導入したいと思っている。「何をすれば給与があがるのか・賞与金額が増えるのか・責任のある仕事ができる立場になれるのか」といった「次のステップ」のための根拠として、人事評価制度を整える。
人事評価結果の反映方法検討
人事評価制度は「見よう見まね」で作成したものの、評価の結果をどのように反映させるのかが不明瞭となっている状況。評価制度の反映先として昇格・昇給を想定するならば、あわせて等級制度・報酬制度についても導入を検討が必要となる。既に等級制度・報酬制度が存在しているならば、「つなぎ」をどうするのかを決める必要がある。
中規模会社(社員数100~700名以下)の課題
人事領域における課題としては以下が例としてあげられます。
人事システム導入の検討
給与を支給するために必要な最低限のシステムは使用しているが、基幹となる人事情報システムが存在していないことが多い。状況やニーズによって変わってくるが、基幹人事情報・採用・評価・勤怠などを対象に、適切なシステム化およびデータ連携の具現化について検討する。数多くのベンダーがあるので、ベンダー選定を行う前に、何を実現させたいのかという「要件」をある程度明確にすることから開始する。
人材育成方針策定およびその施策
社内における「人材育成」についても課題があがっているが、具体的にはほとんど進展が無く、いわゆるOJTを中心とした対応が継続している。ビジネス上の課題に対する解決方法として、人材育成の視点で(研修も含む)何をすべきなのかを検討する。
人事業務プロセス改善
人事業務の運用はできているが、旧来からのプロセスをニーズに応じて適宜変更させ続けた結果、業務そのものが煩雑化している。「あるべきフロー」を検討しようと思っても、どのように整理をすべきなのかが不明瞭なため、必要だと認識しつつも結局手つかずのまま、時間だけが経過している。そのため、業務プロセスフロー図やマニュアルを整備しつつ、現状を可視化して何が問題点なのかを明確にする。
大規模会社(社員数700名以上)の課題
いわゆる大企業なので、人事領域における課題は業務プロセス改善なども含み様々ではあるが、例えば以下があげられます。
採用に関する役割体制
採用に関して、採用部門が非協力的で「採用は人事がやるもの」という丸投げのスタンスのため、なかなか社員採用がうまくいかない。(適切な候補がいない、社員採用まで時間がかかるなど)反対に、現場で勝手に採用してしまうため、給与バランスの不整合や処遇に関するトラブルが発生していることもある。いずれにおいても、採用業務の流れや役割についての共有からスタートする。
人事評価制度の運用改善・啓蒙
評価されるべきでない人が、本来の実力以上に評価・登用されている。あるいは、人事評価制度そのものが形骸化しており、「人事からの指示で評価を行っている」状況に陥っている。上記のような状況が原因で、退職率はそれほど高くないものの、有能な方が知らず知らずのうちに退職してしまっている。人事評価制度の運用改善および啓蒙に力をいれることを検討する。
人事システム刷新・見直し
人事基幹システムが無いあるいは貧弱な場合、システム化を優先的に検討すべき状況となっているのに手を付けていない(あるいはリソースが不足している)。何らかのネガティブな問題が発生していることは認識しており、何がしたいのか/どうしたいのかはわかっているものの、どこから手をつけてよいのかわからない。何を実現したいのか、どういう状況になっていればよいのかを考えるところからスタートし、それを具現化するシステム構成を検討する。
これ当てはまる!と思ったら
上記以外のケースも当然存在します。ただ、今までこういった課題に対して、お客様と一緒に検討し解決していきました。何らかの支援が必要、あるいは相談したいと思われたならば、是非ともこちらからお問い合わせのほど!