VUCAな時代を生き抜くといっても大げさなことではなく、当たり前のことをやればいい

ATD
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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今年5月にアメリカ デンバーで開催されたATD ICEにおいても、「VUCA」というワードが出てきたり何らかのテーマになっていたセッションは50セッションほどだったそうです。全体で400近くのセッションが行われているなかで、これだけのセッションで取り扱われていたというのは、いわゆる「トレンドワード」なんだろうと思います。6月に参加した「帰国報告会」でも話されておりました。

マイクロラーニングはお手軽でかつ効果高そう。その実践経験。
ATD人材育成国際会議という、人材開発関連のカンファレンス&展示会が年に1回アメリカで開催されます。だいたい毎年5月中に開催され、2016年はデンバーでした。そこで、最新の人材開発の事例やトレンド情報.....

そもそもVUCAって何だろう?

日本語読みだと「ブーカ」でよいかと思います。具体的には・・・

  • Volatility :変動性
  • Uncertainty:不確実性
  • Complexity :複雑性
  • Ambiguity :曖昧性

これらの単語の頭文字をとって「VUCA」です。

Volatility :変動性

変化のスピード、性質、量といったものが全く予測不可能なこと。よくあげられるのが、iPhoneの登場とかではないでしょうか?いわゆるガラケーがかなりの市場優位だった日本でも、数年でその立場は逆転してしまいました。これは、今思えばものすごいスピードで本質的なことが変化しており、かつ予測不可能だったのではないかと。

Uncertainty:不確実性

未来の出来事や脅威に対してが予測が立てられないこと。日本の電機メーカーが海外資本の傘下に入るだろうなんてこと、液晶テレビが飛ぶように売れていた時には予測できなかったかと思います。

Complexity :複雑性

多数の原因要素や関係者(社)が絡み合っていること。会社で仕事をしていると、部門間であったり、地域間での立場や環境の違い、さらには雇用形態の違いによって一つの問題を解決するのにいろんな対応策を考える必要があるかと思います。こういったものが複雑性です。

Ambiguity :曖昧性

漠然としていて、因果関係も不明瞭なこと。消費税増税が取り上げられた時に出た、「軽減税率」はその一例かもしれません。日本で展開する時に、商習慣や慣習にあった形にしないといけないとはいえ、そういった経験も実績も無いので、どこに着地点を求めるのか決めにくいといったことです。

VUCAの環境下で必要なことは何だろう?

ビジネス環境においてVUCAな状況とは、「企業を取り巻く環境が不安定で不確実だけではなく、さらに複雑で曖昧な状況下である」といえます。こういった環境の中を生き抜いていかねばいけないのです。

いわゆるMBAの中で取り扱う、「マーケティングのフレームワーク」「財務諸表の分析」といったものを理解していてよいが、それだけでは不十分であるようです。これから必要なのは・・・

  • 経験から学ぶ
  • 固定概念にとらわれない
  • 直観と推測を大切にする
  • 好奇心・行動力が必要

ということだそうです。

それって当たり前じゃないのか?

今年はATDのセッションを受けていないので、確定はできません。しかし、「VUCAがトレンド。それにどう対応するのかが人材開発を担っている人たちにとっては重要だ」というメッセージがいろんな形で発信されていたと推測します。←来年はATD参加しよう。3回目だ。

VUCAとう言葉は新しいけれど、内容はそれほど目新しいものでもなく、それって当たり前のことじゃないの?って思ったのは私だけですかね(笑)?

もちろん予測できる変化というのもあるでしょう。しかし、たいていは予測できないことの方が多いし、どんどん状況は変わっていくし変えていく必要がある。その一方で、関係者は複雑に絡み合っていて曖昧な点が多いけど、先には進めなければいけないことは確実。

仕事って多かれ少なかれそんなものでしょう。変化を予測はしつつ(かなり当たる確率は低いだろうが)、変化が起きた時にすぐに対応できる力があればよいだろうし、ついでに言えば、自分から変化がおこせればなお一層よろしいのではないかと思います。

人材開発の世界ってとても好きです。しかし、たまにちょっと、「上から目線」というか「自分たちはトレンドや考え方は発信しているけど、実際のところは現場部門でやっていかないとね」的な要素が強めなことがあるので、そういう時はそっと距離を置くようにしています(笑)。

トレンドや考え方を伝えつつ、それを実際にやってみたらどうなったかを一気通貫でやって・分析して・修正して・・・ということを続けていきたいと思っています。

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