ビジネスの土台づくりに貢献・支援するのが人事部門の役割

HR Tech
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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人事部門の役割とは何でしょうか?私が人事部門で働いていると友人・知人に言うと、採用を担当している≒面接業務にたずさわっている、というイメージを持たれることが多かったです。もちろん、会社に必要な人材を採用する、給与・賞与の計算・支払処理や社会保険手続きなどを行う、といったことも人事部門として重要な役割です。

社員のビジネスでの成功をサポートするのが人事部門の役割

いろいろな表現方法はありますが、人事部門は「社員のビジネスでの成功をサポートする」ことが求められていると思います。

そもそも、会社は社員に対して、なぜ研修プログラムを提供するのでしょうか?それは、社員が業務を遂行するスキルを身につけて、それを使って適切に業務ができるようにするためです。もちろん研修プログラムを受講するだけで完結するものではないので、実際に使ってみるための機会(いわゆるOJTや実務そのもの)や、その結果どうだったのかを評価することで個人・組織の成長をサポートしつつ給与・賞与に反映させています。

会社がビジネスを継続させるために必要な人材を保持することも、人事部門の役割です。そのために、後任者計画を積極的に行っている会社もあります。あるポジションの後任は誰なのか、その候補となる人はすぐにそのポジションにつけるのか、2-3年後であれば可能なのか、そのポジションにつくためにどんな経験をすべきか・・・といったことを事業部門と一緒に年に1回くらい検討しています。

また、既存の社員の育成だけではなく外部からその会社にとって適切な人材を採用するため、どんな人材が必要なのかを分析し、世の中から探し出すことも(というと大げさですが)人事部門に求められています。

さらに、優秀な人材がいたとしても、同業他社・同職種と比較して報酬面が弱い(低い)と、他社に人材が流出するおそれがあります。そのために給与サーベイを行い、マーケットの中で優位を保てる報酬を維持することも人事部門が行っていることです。

人事制度を導入するだけではなく、環境やニーズの変化に適切に対応する

社員がビジネスで成功or成果を出すために様々な人事制度を用意している会社は多いと思います。また、現在そういった取り組みを積極的に行っている会社も多いでしょう。それぞれの会社にあった制度を導入することは重要なことですが、それ以上に重要なことは、時代・環境・社員のニーズなどの変化に応じてその制度を見直し、修正・変更・廃止・拡張することです。これがなされないと、会社の状況や社員のニーズからずれたものとなります。

トレンドを掌握することも必要

会社に導入されている制度の見直しや、これから導入を検討している制度については、業界に関係なく他社ではどのようなものなのかを掌握しておくことも人事部門の役割だと思っています。ATDのようなカンファレンスミーティングや、HR関連の展示会が数多く開催されているのも、そういったニーズがあるからです。他社の制度をそのまま適用することは難しいかもしれませんが、より自社に合った形にカスタマイズするならば、とても参考になります。勉強会などに参加することで、社外のコミュニティーを持つことも助けになるでしょう。

ただ、そういった「社外活動」にばかり熱心だと、本来の役割がおろそかになってしまうので、その辺はバランスが大切かと(笑)。私自身も独立する前から、業務に支障がない範囲で「社外活動」をしていました。これからは、トレンドを吸収しつつそれを発信し、さらにトレンドそのものがつくれるようになっていきたいです。

人事部門は個人および組織のビジネス目標を達成するための土台を作ることに貢献しており、そのためには社員の方を向いて仕事をしつつ、あわせて経営視点も持っているべきだと思っています。

<2017年1月29日追記>

社外活動=メディアに頻出する人事担当者について仮説を立ててみました

メディアに頻出する人事担当者は仕事時間がとても長いか、本来自分がやるべき業務をやっていない(仮説)
ここ数年、人事関係のセミナーや勉強会が増えており、いたるところでそういったものが催されております。私も参加してそこから情報やトレンドをインプットする機会をつくるようにしています。これは、事業会社にいた.....
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