メディアに頻出する人事担当者は仕事時間がとても長いか、本来自分がやるべき業務をやっていない(仮説)

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ここ数年、人事関係のセミナーや勉強会が増えており、いたるところでそういったものが催されております。私も参加してそこから情報やトレンドをインプットする機会をつくるようにしています。これは、事業会社にいた時から心がけていました。そういったセミナーでのスピーカーは、コンサルティング会社・研修会社・大学などの教育機関の方だけではなく、事業会社の人事担当者であることもよくあることです。

自分が事業会社にて勤務していた時、いつも思っていたことが、「話してくれた内容が、自分の業務などに役に立ちそうだ」といったことの他に

事業会社の人事担当者が、これだけの準備を業務の他にするための時間はどうやってねん出しているのかな?

といったことでした。今回は、メディア(外部セミナーでのスピーカー、テレビ・ラジオ・雑誌での対談記事やインタビュー、社外Webサイトへの寄稿など)に人事担当者が出ることによるメリットと、それに関連する仮説について展開したいと思います。

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暇ではない人事担当者

営業部門など会社の売り上げに直接関係している部門など、他部門の人からみると「人事って何をしているんだろ?」とか「却って仕事が増えるようなことをやりやがって・・・」なんていう声も全く無いわけではないことは、私も認識しております。実際に、日経ビジネスにもこんな記事が掲載されています。

会社によって多少異なりますが、人事部門は「人」に関することを手広く行っていることが多いです。「給与・賞与処理」や「採用」というのは、ほんの一部分にすぎず、個別の労務問題(残業時間削減、セクハラなどのハラスメント、休職・復職、社員からの相談など)への対応や、福利厚生・就業規則などの人事制度の導入・展開・調整など、社員がビジネスを行うための土台をつくり、それを運営しています。

ビジネスの土台づくりに貢献・支援するのが人事部門の役割
人事部門の役割とは何でしょうか?私が人事部門で働いていると友人・知人に言うと、採用を担当している≒面接業務にたずさわっている、というイメージ...

間接部門なので、部門の人数も潤沢というところは少なく、どちらかと言えば業務量に対して「ちょっと人手が足りない」くらいのところの方が多いだろうと思います。

人事担当者がメディアに露出するメリット

そういった中で人事担当者がメディアに出るメリットとは、どんなことがあるでしょうか?私は以下のように考えております。

  • 会社そのものの宣伝およびイメージの向上
  • 人事制度などを知ってもらうことによって、新たな転職(入社)希望者を生み出す
  • メディアに出たご本人の知名度アップ

育児休業を奨励している=働きやすそうだから入社したい!とか、メディアに露出している人事担当者をみて、ああいう方が人事担当者ならば、きっと良い会社に違いない!というイメージを外部に与えるのに貢献しているでしょう。ここでいう「外部」とは、転職希望者や就職活動をひかえる学生だけではなく、そういったメディアによる情報を得た一般の方々も含みます。

人事担当者としても、会社の宣伝だけではなく社員やご自身のキャリアなどを世間に知っていただくことによって、会社に対する貢献度合いが高いため昇格する、他社からヘッドハンティングされるといったことがあるかもしれません。また、ビジネスパーソンとしてだけではなく、それ以外の別の方向(大学教授、タレント、政治家、作家など)への進出といった展開もあるかもしれません。もちろん、それを望んでいるかどうかということが大前提です。

メディアに出ることによって発生する事象(仮説)

人事担当者がメディアに出るには、それなりに準備時間や実際の拘束時間などが必要だと思います。例えば、セミナーにて講演をすることを想定してみましょう。タスクや時間量などは私のイメージです。実際にどの程度かかるのかは、内容などによって異なってきます。

  • セミナーで話すテーマについて検討<3時間>
  • 主催者との何度かの打ち合わせ。メールでのやり取りも含む<1時間×3回>
  • 原稿の作成<5時間>
  • プレゼンテーションの練習<1時間×5回>
  • セミナー会場への移動・準備・本番<4時間>
  • 懇親会(オプション)<2時間>

イメージするだけでもこれだけのことが発生します。だいたい22時間程度。一日の勤務時間を7.5時間とした場合、およそ3日間程度の業務量と仮定してよいでしょう。1回だけであればこの程度ですが、いくつかのセミナーに登壇したり、記事を寄稿したり、インタビューを受けたり・・・ということが重なるとそれなりの時間が必要でしょう。

あと、忘れてはいけません。

これ以外に、そもそもの人事担当者としての業務があります。

これだけの時間を捻出するために、取る(取らざるを得ない)行動は以下のどちらかだと推察します。

  • 残業時間が膨大となっている、すなわちプライベートな時間をかなり削っている
  • 本来行うべき業務を同僚や部下など他の人に、肩代わりしてもらっている

このどちらかでしょう。もちろん、「メディアに出ることを業務としている」ということも想定はできますが、それだと人事の実務者であるから呼ばれているのに、実務者ではないという矛盾が生じます。あるいは、「誰かがメディアに出て業務に支障が出る分、それを補う人員体制になっている」というならばよいのですが、上述したように人事部門は人数が潤沢ではないところがほとんどです。「メディアに出るから(人事部門の)人員を増やす」というロジックは当然、成り立ちません。

必要なのは情報の取捨選択

私は、人事担当者そのものの価値は、「社員とどれだけ向き合って、どんな仕事をしてビジネスの土台づくりに貢献したのか」、ということだと思っています。「人事制度のコンセプトの上っ面を、きれいごと並べて言うだけで実際には自分は何もやっていない」ということではありません。「状況も理解せず部下にやらせて『手柄』をあげた自分を、海の向こうの本社や上層部にアピールする」ことは問題外(笑)。

人事に限ったことではありませんが、そうなると必要となってくるのが「情報の取捨選択」でしょう。ご自身の時間を割いて準備して、世の中に少しでも自社の制度やその結果どうなったのかということや、自社のイメージ・特徴を伝えていこうとしている方と、そうではない方とを見分けるのは、それを受け取る側の役割であろうと思います。

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