副業解禁や勤務時間ではない基準でワークスタイルを考えるタイミングも近づいてきているかもしれない

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この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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1社でのみ仕事をするというのが当たり前として、ほとんどの会社はそれを前提として人事制度も設計がされております。ただ、その一方で社員の副業を認めたり、新たな勤務形態を検討する流れも少しずつ出てきています。

アマゾン社の発表におどろいた

会社で勤務するといった仕事に対して、時間だけを軸に考えるのにも限界は出てきているのかも・・・となんとなく思っておりました。そんな中、アマゾン社の新しい勤務体系のトライアルについて発表があったので、私も↓のようにTwitterにあげました。

アメリカ本社の取り組みのようです。原文は英語ですが、要点となるところを箇条書きにすると以下の通りです。

  • 通常勤務である週40時間に対して週30時間
  • 月曜から木曜の4日間勤務
  • 給与は25%カットだが、福利厚生はそのまま
  • 管理職も含むHR技術システム関連チームが対象
  • 全社ではなく上記の対象チームのみ

今回の件は、パイロット(試験)的なものという位置づけのようです。またフルタイム勤務より勤務時間が25%減るので、給与が25%カットというのはネガティブな対応とは思えません。対象者がある一定の管理職も含むチーム全体というのが、うまく機能しやすい環境ではないかと思いました。というのも、これを個人レベルで対象にするorしないとしてしまうと、チームの中で「週4勤務」「週5(通常)勤務」と分かれてしまい、チーム運営、業務そのものに支障が出る可能性があるからです。

まずはやってみてから判断すればよい

この週4勤務を行いつつ、それ以外の日については別の会社で勤務したり、自身で事業ができるようになっていればいいなと思いました。(その辺は記事には言及されておらず。)もちろん、残りの3日間は全て休みにあててプライベートな時間を多くとるというのも、選択肢の一つです。

どんな結果になるのかはわからない、というのが正直なところです。ただ、こういったことを小さな範囲で試してみて、そこから上がってきた「うまくいったところ」「問題があったところ」を精査して、どういう制度が適切なのかを考えようとしている姿勢はよいかなと思いました。私なら、このパイロットチームに参加してみたいですね。

日本企業でも新たな動きがあります!

こういった取り組みはたいていは、海外の会社が取り組みはじめてそれがある程度形になったところで、日本にある外資系会社に「展開」されつつ日本企業に広がっていく・・・・というようなイメージがあります。しかし、こういった勤務体系の見直しについては、日本企業でも動きがあるようです。

ロート製薬株式会社では、副業を認める「社外チャレンジワーク制度」をスタートさせました。(もう一つの「社内ダブルジョブ制度」については、別の機会で取り上げさせてください。これも素晴らしい試みだと思いました。)

ページが見つかりません / Page Not Found(Error 404) | ロート製薬株式会社

制度の概要は以下の通りです。

  • 本業は大切にしながらも、自身の時間を使って(兼業という形で)社会に貢献したいという方のための制度です。
  • 2016年2月制定。3月上旬まで応募を受け付け、60名強の社員から立候補がありました。
  • 届け出後、下記条件を満たすものは容認・支援します。
  • 条件は、本業に支障をきたさないもの。(就業時間外・休日のみ可能)※入社3年目以上の社員対象
  • 今後、各人の働き方にあわせて、柔軟に対応していく予定です。

就業時間外・休日で、本業とは異なることであれば良いとのことだそうです。これがきっかけに離職する人も出てくるリスクもあるかもしれませんが、ロート製薬様は「太っ腹」です。というより、企業はこのくらいの気概をもっていただきたいと実感しました。こちらの記事に担当の方々のインタビューが掲載されておりました。

副業を解禁!? ロート製薬に聞く人事戦略の舞台裏 - 2枚目の名刺 webマガジン
「ロート目薬」で知られる大手製薬会社のロート製薬(株)が、4月から社員の柔軟な働き方を後押しする「社外チャレン

結果的に会社を離れる決断をする人がいてもいいと思います。ロートを卒業して活躍できるなら、どんどん応援したい。離れても関係が続いていく雰囲気があり、一度離れた後に良さを見直して戻ってくる人もいます。戻ってこなくても何か別の形で一緒に仕事ができれば素晴らしいですね。

こういうことをやってみたい!と思っていても、「副業禁止」だと躊躇するだけではなく、禁止されてできないことによる会社への不満も出てくるかもしれません。そういうことも鑑みて、一定のルールをつくって認めた方が良いという考え方は、とても理にかなっていると感じました。これをきっかけにして会社を辞めて新たな道をいくとしても、その元社員の方々は、そこで働いていたことをきっと誇りに思えるんじゃないかなと思います。

この制度もまだ運用したばかりなので、実際にやってみてからどんな点がうまくいったのか、改善ポイントがあるのか・・・といったことを振り返ってもらいつつ、それを世の中にも発表してもらえるとうれしい限りです。あとは、社員の満足度調査。この制度を使っていない社員にも、ポジティブな影響があると思っています。その辺を是非とも(公開できる範囲でよいので)教えていただきたいです。 

<追記:一度辞めた後に出戻りするケースについて記事にしています>

隣の芝は青いかもと思ったけど・・・。出戻り社員を積極的に受け入れる会社が増えているらしい
家族の育児・介護や転職など自己都合によって退職した社員が、改めて再入社(カムバック/出戻り)するケースが増えています。一つの会社で定年をむかえるまで勤務するということが、当たり前だった時代では考えられ.....

<2019年4月30日追記>

マイクロソフト社も期間限定で週休3日制を導入します。

マイクロソフトの週休3日制が意味するものを人事的視点から解釈すると・・・
日本マイクロソフト社が「2019年8月の1ヶ月は全て週休3日とする」制度を導入すると発表しました。人事的視点からどういう特徴・意図があるのかを考察したいと思います。
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