ブレンドラーニングを取り入れることで研修に継続性を持たせよう。それを話す前に、e-ラーニングとLMSの2000年代初頭の状況について

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だいぶ時間が経ってしまったのですが、ある研修会社が6月に開催していた「ATD帰国報告会」に出席した際にうかがった、「ブレンドラーニング」についてご紹介します。この「帰国報告会」関連として、既にいくつか記事もあげているのでそちらも参照ください。

マイクロラーニングはお手軽でかつ効果高そう。その実践経験。
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VUCAな時代を生き抜くといっても大げさなことではなく、当たり前のことをやればいい
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実は、これは目新しいことではなく、私も既に知ってはいたものの実際に導入したことがなく、前々職のコンサルティング会社時代に少し使ったことはあります。とはいえ、その時と今とではネットワーク環境にだいぶ違いがあるので、現在(2016年)ならば意図したことが比較的実現しやすいのではないかなと思います。

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e-ラーニングが研修費用の削減になるというのは幻だった

e-ラーニング(以下E-Learning)が登場してきたのは、2000年に入ってからだったと記憶しています。少なくとも、私自身がそういったことを仕事上関わるようになったのが、その位の時期でした。その時私はコンサルティングファームにいたので、「集合研修からE-Learningに変えることで、学習効果はそのままで費用は三分の一くらいに減少させることができます。その理由としては、集合研修のための受講者(+講師)の移動費用や宿泊費用がなくなり、教室も不要となり、さらには集合研修のための準備が無くなるからです。」というようなことを話させられた話していたと記憶しています。

つまり、1日かけて行っていた集合研修をそのままそっくりE-Learningに置き換えるという発想で、かつコストダウンにもつながるということですが・・・

これは全くのデタラメです

もちろん、最初からそれがわかっていたというわけではなく、実際にやってみたらそういった気づきがあったというところです。

実際にはコンテンツ開発やLMS導入にはそれなりに時間と費用が必要だった

E-Learningを入れるためには、その土台となるLMS(Learning Management System)が必要でした。既にいくつかのLMSベンダー(Saba、Sumtotalなど)が存在し、さらには、ERPベンダーが人事システムを補完するために拡張した機能が世の中にはリリースされていました。まだクラウドなどもなかったので、各社でハードウエアなども用意する時代です。導入費用は、いわゆるSAPなどのERPに比べればだいぶ短くなるとはいえ、半年から9ヶ月くらいはかかるものでした。また、費用も決して安いものではなく、「小規模なERPプロジェクト」のようなものだったかと記憶しています。

さらに、E-Learningの場合は「コンテンツの開発」が必要でした。SCORM(下記参照)やAICCと呼ばれる標準規格があり、それに即した形で開発したものを「アップロード」することでやっと実際にLMS上でE-Learningが使えるようになります。

SCORM(スコーム)とは、Sharable Content Object Reference Model(共有可能なコンテンツオブジェクト参照モデル)の略称で、eラーニングにおける共通化のための標準規格です。

出典:http://satt.jp/dev/scorm.htm

SCORMとAICCの違いは、イメージ的にはWindowsとMacの違いくらいにとらえていただければ十分です。やりたいことは同じだけど、その手法が違う別流派といったようなものです。

そのため、e-ラーニングを具現化させるためには・・・

  1. 土台(LMS)の構築
  2. 研修アジェンダの作成(何を研修で扱うのか=研修の内容)
  3. 研修アジェンダのE-Learning化(LMS上で動作するコンテンツにする)

この3つを全部終えないといけません。しかも、研修コンテンツを1つ増やすということは、SCORMやAICCといった標準規格をベースに「開発」すること(=「3」)がもれなくついてきます。一部、そういった研修コンテンツを「パッケージ」として売っている会社もありました。しかし、自社で導入したLMSでの動作確認+その調整が必要であり、かつ、その研修アジェンダが自社にとってすべて適切であり、全く手直しをしないことが前提なので、ぴったりなものを見つけるのはなかなか難しい状況だったでしょう。スーツを買って、裾詰めすらすることなく着られるのか?というとかなり難しいと思いますが、それとほぼ同じようなものです。

その当時から研修資料としてパワーポイントなどは普通に用いられていましたが、そういったものとは別に、LMS上で動かすためのE-Learning化(=LMS上で動作するコンテンツにする)をしないといけなかったのです。そのため、開発に時間と費用がかかり、「じゃあ来年は10コース増やしましょう」などと気安くは言えないものだったのです。

オンライン上でのセッションの有益性は当初から言われていた

そんな状況だったので、E-Learningは「時間がかかる割には、すぐに使えなくなる」「研修の中身を修正したい時に簡単にできない」「コンテンツ開発やLMS導入に費用がかかるので、費用削減にはならない」といった評価となり、「集合研修による双方向のやり取りもできないのでは、研修としての意味があるのか」といったことまで言われておりました。少なくとも私はそう感じていました。

ただ、その頃から「E-Learningコンテンツを作成するのではなく、オンラインでチャットやWebセッションを行う」という発想はあり、実際にそういうツールもLMS上にありました。しかし、それが今とは比較にならないくらい脆弱なネットワーク環境の上で構築されていました。そのため、「これをやることにして、実際につながらなかったら(途中で切れてしまったら)全く研修として成り立たなくなる」とか「何時間もPCを前に話しているのは、周囲から不思議な目で見られる」という、とても現実的なコメントが世の中では出回っておりました。

気が付けば、LMSとE-Learningの過去についてだいぶ記載しておりました(笑)・・・。

今はネットワークの発達によりだいぶ改善されていると思います。では、その辺をふまえてどういう点に気を付けてブレンドラーニングを行えばいいのか・・・ということは次回に続けます。

<2016年9月23日追記>

ブレンドラーニングを取り入れることで研修に継続性を持たせよう
以前の記事で、「ブレンドラーニング」を紹介するつもりが、その前段の「E-LearningとLMSの歴史」をふれただけになっておりました。今回...
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