電話は諸悪の根源、仕事の邪魔/弊害ではないはず。文章で全て伝えきれる?要は使い方じゃなくて?

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この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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ビジネス上、電話は必要だし便利だと思っています。これがあることによって、その都度会う必要もないし、文字よりも情報伝達量は多いでしょう。記録として残りにくいという部分はありますが、リアルタイムでやり取りできる便利さは大きいでしょう。

しかし、最近は

  • 仕事中に電話がかかってくると思考が停止する
  • 電話をかけてくる人とは縁を切りたい
  • メールで十分

といった主張が支持される傾向があります。そういった主張のブログ記事を宣伝(?)するツイート/リツイートも多く見られます。「電話は仕事の邪魔をする諸悪の根源」という風潮があるのですが、本当にそうなんでしょうか?要は使い方なんじゃないでしょうか?

集中したければ着信があっても出ないか電源を切ればよい

もし、本当に集中したいことがあるならば、電源をオフにしたり、留守電に自動転送させるようにしておけばすむはずではないでしょうか?会社の固定電話であっても、不在設定くらいはできるはずです。

私が事業会社に所属していた時、同じ部門の「お局様」は、本当に仕事に集中したい時に、固定電話を留守電設定にして仕事をしていました。常にその状態だと、「それってどうなの?」と思いますが、社員全員の給与データ確認など、間違えると取り返しのつかないものだったりしたので、理解はしていました。私も一人で会議室にこもってプレゼンのリハーサルを行うなど、「電話から距離を取る」といったことで、電話に出ないようにすることもありました。

「電話をかける相手が何をしているのかをふまえて、タイミングよく電話すべき」などという人もいらっしゃるようですが、目の前にいない相手の状況などわかるわけないって(笑)。電話に出られない(出たくない)ならば、出なければいいだけじゃなくて?それを「仕事上、電話を使うこと(人)は問題」というところまで、話を大きくする点には違和感をおぼえます。

文章で状況や内容を誤解無く伝えるのは簡単ではない

電話反対論者は、「必要な用件はメールなど形に残るもので伝えれば、後から見返せるし、自分にタイミングのよい時に返事もできる」とおっしゃっています。たしかにその通りですが、一方で、文章だけで状況を正確に誤解無く全てを伝えるには、結構高い文章力が必要だと思いますがいかがでしょうか?メールがテニスのラリーのように行ったり来たりした経験は、多くの方に当てはまるかと思います。それは、質問や問い合わせに対する回答だけではなく、その質問や回答内容の確認や、相違を解く部分もあるでしょう。

そういうことです。

「電話不要論」のブログ記事の執筆者はともかく、それをリツイートしている方の中には、「その筆者が言いたいと思っている本質」を理解しているとは思えないコメントを付けている方もいました。例えば、「そもそも電話なんて古いツールは無くなるべき」って、そういうことなのでしょうか(笑)?本当にニーズが無ければ、そんなこと言わなくても使われなくなっていきますよ。ポケベルのように・・・。

ポケベル

 

相手の反応によって内容は変わる

相手の反応によって、話す内容が変わっていくということは仕事(プライベートも)ではよくあることです。音声によるリアルタイムでコミュニケーションが取れる電話は、こういった時に利便性が高いツールのはずです。それを「相手の時間を邪魔しない」ためにメール(LINEも含む)を使っていると、何回もやり取りする必要が出てくるでしょう。

さらに、メールなどによくある、「行間を推測する」などというのは、かえって時間の無駄です。それならば、直接聞いた方が早いでしょう。そう考えると、時間を決めてかければ、かえって便利なことの方が多いのが電話です。独立してから、いわゆる「電話会議」の機会は増えたと思います。

さらコロナ禍を経て、オンラインミーティングも定着してきました。

使い方・使用シーンによるもの

電話そのものが問題ではなく、要は使い方ではないかと思います。電話の存在を無くすことは個人では相当難しいことでしょうが、電話をどう使っていくのかを決めて行動することは、個人でできることだと思います。

仕事にこだわりは必要です。これは私も実感しています。しかし、あまりにも「変なこだわり」が強すぎると、それは却ってコミュニケーションが成り立ちにくくなる要因になるだけです。極端な話、「電話は仕事上使わない人」がメンバーの中にまざっていたら、複数での電話会議は成り立たないということかもしれません。どうやって打ち合わせをするのかを、まずはメールなどで決めないといけないってことなのでしょうか(笑)?そちらの方が非効率でしょう。

「電話がかかってくると、思考停止・行動停止に陥る」「電話で連絡してきたら縁を切る」など、そこまで言わなくてもよいのではないかなと思いますが、そういうちょっと斜め上の発言が「流行り」なんでしょうか(笑)?

私は電話は出られるときは出るし、そうではないときは出ません。自分がかけられる時にコールバックするし、その時につながらなければ時間を調整して話すようにするなり、メールなど別の方法で対応しています。その程度のことではないかと思います。

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