個人事業主が法人成する時にやるべきこと。法務局に法人登記の申請書類を提出

法人化
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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前回、定款を公証役場にて認証してもらうことについて記事にしました。ここまでくると、あとは必要書類を用意して法務局に提出する「だけ」なのですが、この必要書類を用意するのに注意が必要でした。CD-Rにデータを焼き直したりすることもあったり・・・。

必要書類の洗い出し

いろいろなサイトを拝見すると、微妙に用意すべき書類の名称や中身が異なっていました。しかも、電子定款の場合だと、またちょっと違いがあったり・・・。記載すべき日付も書類によって区分けしないといけないらしい、ということも用意しているうちに気づきました。

最終的に、以下のものを用意しました。

  1. 株式会社設立登記申請書 1通
  2. 定款(公証役場で発行してもらった謄本) 1通
  3. 本店所在場所決議書(定款の住所は市区町村までにしたため)1通 
  4. 設立時取締役の就任承諾書 1通
  5. 払込を証する書面 1通
  6. 印鑑届書 1通
  7. CD-R 2枚(「登記すべき事項を記載したもの」1枚、「電子定款」1枚)
  8. (私個人の)印鑑証明書原本 1通
  9. 現金15万円

電子定款は謄本とCD-Rの両方を持参

電子定款の場合、「原本」は公証役場でもらったCD-Rのデータです。紙の謄本は「原本通りに書きうつしたもの」なので、原本ではないのです。

そのためか、定款の謄本だけ提出した人もいれば、CD-Rのデータを別のCD-Rにコピーして提出した人もいれば、両方提出した人もいて、正直どうすればよいのか判断できず。私は、紙の謄本とCD-Rの両方を持っていきました。いらなければ、返却されるだろうし・・・と思ったら両方とも回収されました。

資本金の振込は通帳がなくても大丈夫

定款の認証を受けた日(同日も含む)以降に、資本金を発起人の誰かの口座に振り込む必要があります。この時点では、法人口座は存在しないし作ることもできないので、個人口座になります。私の場合、一人なので自分の口座でいいし、既に自分の口座にお金はあるので振り込む必要はないのですが、残高があるということだけではダメで、新たに入金することが「ルール」として必須のようです。

そこで、個人事業で使っている口座からクレジットカードの決済などに使っている口座に、振り込みをしました。これで、解決。

いろいろなサイトをみると、振り込んだ口座の「通帳の表紙」「表紙の次のページ」「入金が確認できるページ」のそれぞれをコピーするように記載されています。また、

通帳が無い口座(ネットバンクなど)を使ってはいけない

とまで書いているサイトまでありました。私は持っている全ての銀行口座において通帳が無いので、本当にそうなのか?と思い、これは事前に法務局に確認しました。

法務局によると、「個人口座の氏名」「銀行名」「口座番号」「入金が確認できるページ」がわかればよいとのことでした。そこで該当Webページをプリントアウトして、ホッチキスでとめて契印しました。「通帳が無い銀行口座はダメ」と書かれているサイトの情報は誤っています。気をつけましょう。

書類に記載する日付は要注意

「1」については、申請日(=法務局に行く日)を記載するのですが、「3」「4」については、「5.払込を証する書面」の日付を記載することになります。これも、いろいろな「説」があったのですが、何のために必要なのかとか、その効力とかを考えるとこれが妥当だろうという結論となりました。

登記すべき事項は全て全角で住所にスペースはいれない

CD-Rに入れた「登記すべき事項」のテキストファイルは、文字コードは「シフトJIS」で全て全角です。英数字も全角なので、私にとってはちょっと違和感が・・・。

さらに一つ注意しないといけないのは、「住所にスペースはいれてはいけない」ということです。例えば

× 東京都中央区新川1丁目3番21号 BIZ SMART茅場町

ではなく、

 東京都中央区新川1丁目3番21号BIZSMART茅場町

となります。スペース無しが難しい場合は「・」「-」などを入れるしかないようです。これについては、具体的な対応策が書いてあるサイトはあまりなかったのです。

収入印紙をはって提出

ここまでできれば、あとは法務局に行って収入印紙を購入→「1」の2ページ目にはって、提出するだけです。収入印紙は15万円!しかし、購入するところではいたって事務的に領収書と一緒に、切手のような収入印紙を現金と引き換えに渡されました。ま、彼女たちにとっては、「日常業務」ですからそんなものですよね(笑)。

15万円の収入印紙と領収書

提出はさらにあっけなく、必要書類を確認された後に「登記完了予定日」が記載された用紙を渡されて終了。待たされることもなかったので、正味10分もかからなかったと思います。定款のCD-Rについて、提出必要かどうかを確認したら「こちらもお預かりします」とのこと。むしろ、必須だったのかもしれないです。

まずは申請完了。申請日が設立日となるので、2月2日が会社設立日です。2月2日は「人事の日」らしいです。これは単なる偶然だったのですが、そういう日に設立できたのも、何かの縁かと思います。

<前回まで>

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