組織開発とは「対話・取組・検証を繰り返すことで、より組織が進化し、よい状況にする」ことだと思う

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電通ホールで開催された「ODNJ年次大会2018」に出席しました。「年次大会」ということで、毎年開催されているようですが、私は初参加でした。「組織開発のことを知っているようで、実は何のことなのかきちんと理解していない」ことに気づき、1日がっつりセミナーを受ければ「何かがわかる」、あるいは、「何がわからないのかがわかる」だろうと思ったのが参加のきっかけでした。

セミナーで話された内容については、主催団体からレポートがあると思うのでそちらをご参照ください。この記事では、セミナーを聞いた上で感じたことなどの主観を述べます。そのため、内容の理解が、実際とは異なっていることがあるかもしれません。

同時通訳は難しい

ジャルヴァース・ブッシュ氏の基調講演は、英語で本人が話した後に同時通訳者が日本語で訳すのだが、その訳語に乖離があるときがあり、私はたまに混乱しました。例えば、「Generative Image」を「生成的イメージ」と訳されていたのだが、「生成的」という単語に馴染みがなかったためか、今一つ腹落ちしなかったです。ブッシュ氏の話している内容から推察(+別の参加者から聞いたこと)すると、「アクションとクリエイティビティの両方を取り入れること」ということではないかと思いました。

そういったことが何度もあったので、ブッシュ氏の話や組織開発について何かしら知識や経験がある人であれば問題がなかったのかもしれませんが、私はこまめに「小さな挫折」を繰り返しておりました(笑)。

対話型組織開発は気づかないうちに使っていた?

組織開発には「対話型」と「診断型」という2つの潮流があるらしいです。正直、その辺も掌握していなかったです。しかし、↓のスライドを見た時に、ワールド・カフェやU理論など私も知っているものがいくつかあったので、「表立って対話型組織開発とは言っていないけど、実は浸透している」と判断してもよいでしょう。

ブッシュ氏講演のメモはなぐり書き

私自身に多少の混乱はあったものの、講演そのものはためになるものだったと思います。いろいろとなぐり書きのようにメモをとっていたのですが、その中で「今、読み返しても、たしかにこれは大切だとわかる」ものを列記します。詳細は、最近出版されたブッシュ氏の著書に記載されているのかと・・・

  • 結果に違いがでてくるのは、OD(Organization Development:組織開発)実践者の心構え・マインドセットが原因
  • 問題を解決することで新たな問題が出てくることを認識している
  • 現実に直面しないといけない
  • ソリューションはすべてにフィットするわけではない
  • 変化の枠組みをつくる。そしてステークホルダーが誰なのかを特定する
  • リーダーが変化を定義すると75%が失敗する
  • しかし、ステークホルダー(当事者)が変化を定義し、それをリーダーがサポートすれば90パーセントが成功する
  • どうしても人間は意味づけをしたがる
  • 新しいやり方を行っていくための双発を促す
  • 対話型・診断型は対立しているのではなく混ざっているものだ
  • 違った会話を生み出すというのが、外部コンサルタントの仕事
  • 具体的には、どういうパターンがあって、それをどうくずせばよいのか考える
  • 従業員はいろいろと試すけど、該当者に組織内で権限がないと結果的に立ち消えになってしまう

質問が採用されました

このセミナーではUMUが使われており、アンケートや質問を随時受けつけておりました。上記のブッシュ氏の講演中に私もこそっと質問をアップしたら、講演最後の質疑応答コーナーで採用されました。結構な数があった中から選ばれたのでこれはうれしかったです。

私が質問した内容は以下の通りです。

対話型組織開発をリードしていく方は、具体的にはどんなスキルやコンピテンシーを有していた方がよいでしょうか?
これに対して、ブッシュ氏は以下のように回答してくださいました。
  • 重要なのは、Narrative(ナラティブ:全体としてまとまったストーリーライン)に対して注目できるかどうか、気づけるかどうか
  • 行為に対してではなく、言ったことにたいする文脈
  • そのように言っているのは、何でなのかということについていろんなことを考える
  • どうしてもうまくいかない時に、そのパターンを知ることができる能力
  • そして、その「うまくいかない」状況を打ち破るための質問をする。こんなやり方がある、というものを提供する

組織開発だけに特有というより、中には既に取り組んでいる行動もあるな・・・ということに気づきました。

組織開発は禁断の果実⁈

午後は複数の中から2つのセッションを選択して参加することができました。1つ目は「組織開発の全体像の理解と未来」という”組織開発の歴史および発展の経緯と、その実践事例”をテーマにしたものを選びました。まさに、今回の参加動機にぴったりです。

私自身が、「組織開発のアカデミックな歴史的背景には興味がなかった」ということに気づきました(笑)。その中で「組織開発が人間の本性・本心をあぶり出し、それによって自らの生命を絶つケースもあったので、研究を禁止されたこともあった(←実際に話されたことを元に、筆者がかなり要約しています)」という説明もあったので、

組織開発は禁断の果実だったのか?

と思ったのはここだけの話です(笑)。

その後に話された「実践事例」は、とある事業子会社についてでした。この会社の社長と幹部は親会社からの出向者で構成され、子会社のプロパー社員は実務は熟知しているが、会社がどうあるべきかという視点は持っていなかったようです。それが、どうやって社長主導から自立的組織になったのかという取り組みについてでした。

全ては作った生態系を維持するため

2つ目は「「異化」を促進し、「面白さ」を生み出す、面白法人の組織開発手法」というタイトルの、面白法人カヤックにおける組織開発についてです。カヤック社は、以下のようなネーミングとその内容がかなりセンセーショナルな人事制度を展開されていることは知っておりました。

  • サイコロ給
  • 月給ランキング
  • ぜんいん人事部 など

今回は、そういった制度の導入背景をお話いただいた後、質疑応答によってカヤック社の目指すところ(結果的に目指したところ?)を伺うことができました。

こういった制度をそのまま他社で導入したら、間違いなく組織崩壊につながるでしょう(笑)。それは登壇者もおっしゃっていました。

人事部長の柴田さんが会社について具体的に語り、社外人事担当という社員ではない方(神谷氏)が、客観的に「組織開発の観点からみたカヤック社のイレギュラーさ」を語ってくださいました。
参加者からの質疑応答からわかったことは、「作り出した面白法人カヤックという「生態系」を維持するための施策」ではないかということです。採用が厳選(雇用形態に関係なく、最終面談は3人の代表取締役が行う)されているのも、そういった生態系に「外来種」が入らないようにするためのものだと考えれば、腹落ちします。

まずは取り組んでみよう

今回のODNJ年次大会に参加することで、「組織開発」にがっつりと関わることができました。アカデミックな理論追求と、「組織開発のテクニック」だけににフォーカスされている本末転倒な状況だったらどうしよう・・・と思っていたのですが、そこまでではなかったというのが実感です。組織開発は、「企業がビジネスで成功するための仕組み・手法」であるというのが前提だと思います。それをふまえて、「組織開発とは何か?」という、そもそもの疑問に対して、今日時点の理解に基づき自分で端的にまとめたのが今回のタイトルです。

来年は2019年8月24日・25日に名古屋で開催とのことです。

*画像は私が撮影したODNJ年次大会2018の一コマです。

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