企業による副業紹介の取り組みは先進的なのか、そこまでお膳立てが必要なのか?を考える

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2020年、オリンピックイヤーに入った途端、副業(複業)に関して驚くべきニュースが飛び込んできました。

ライオン(株)の人事部が副業を紹介する窓口を担うことにしたようです。これに関しては、既にいろいろな意見が出ています。現時点での私の意見は、「大企業がこういった取り組みを行うのは素晴らしい。副業を会社が斡旋する必要があるのかどうかに関しては、今後の動向や取組結果に着目した上で考察したい」です。

詳細意見を以下に展開していきたいと思います。

社員(人事部以外)からすれば良い機会

ライオン(株)で勤務されている方を存じ上げないので、「実際のところ、(ライオンの社員が)どう思っているのか」は掌握しておらず、推測の領域を出ないことはご了承ください。

「副業ってどんなものだろうか?やってみたいけど、どうすればよいのかな」と興味はありつつも、なかなか次の行動に出られない方にとっては良い機会でしょう。特にライオン(株)のような大企業で勤務されている場合、フルタイム勤務で本業のみという方しか自分の周囲にいないというケースも多いかもしれません。

競合他社での副業や公序良俗に反する仕事などは禁止する。同時に(1)本業の残業時間と副業の労働時間で合計で月80時間を超えない(2)翌日の勤務まで10時間のインターバルを設ける(3)週に1日は休日を取得する

出典:ライオン、人事部が副業紹介 本業での貢献を期待

上記のように、明確なルールも定められているので「取っ掛かりとしてチャレンジしやすい」状況が用意されているとも言えます。

「副業に興味が無い社員」にとっては、この制度の導入によって何らかの不利益が発生するわけでもないので、社員からすればメリットしか無いでしょう。

人事部からすれば煩雑な運用

個人的には「企業の人事部が、この提案を行った(あるいは経営層からの依頼を具現化した)のはすごいな」ということです。単純に考えても以下のような業務が新たに発生するでしょう。

  • 副業案件(以下、案件と記載)の紹介を人材紹介会社から受ける
  • 案件を社員に紹介するためにポータルサイトなどに情報の掲示
  • 社員の案件参画履歴(これを掌握しないならば、「本業に生かす」ことを会社側が期待していたとしても片手落ち)

また、ライオン(株)と取引する人材紹介会社は1社とは限らないとした場合、取引会社数分の対応が必要です。

新聞記事によると副業先での労務管理は個人(社員)が行うとはいえ、何かしらのトラブルが発生すれば会社が関与している以上は、全く対応しないというのは難しいだろうし、本業にも影響を及ぼすのでその視点からも人事部(or上司)も何らかの対応・調整に関与することになるでしょう。

人材紹介会社と社員の間に入ることになるので、それなりに「板挟み」になることは予想できます。しかもそれが「人事部の本業」とは言い難い業務であることは、どうやって咀嚼したのかは知りたいところです。

「面白い取り組み」「自分でさがすべき」

このニュースを知った副(複)業に関心のある方々からは、色々な意見が出ていました。

ポジティブな意見

ポジティブな意見としては「(企業として)先進的な取り組み」「時代の変化を感じる」「コスト削減などを考慮すれば当然の流れ」といったものがありました。確かにそういった要素は大きいと思います。

懐疑的な意見

一方で、今回の取り組みに対して懐疑的な意見の方もありました。どちらかといえばこちらの方が割合が高かったような・・・。まとめると以下の4つに大別されると思います。

  • 副業ならば自分で仕事を取る(見つける)べき
  • 人事側の運用が大変そう
  • そもそも自律的に動ける人はこの制度は使用しない
  • パフォーマンスが低い社員に対するリストラの一環

今後のライオン(株)の状況や、他社の動向についても着目していきたいと思います。

<参考:副業(複業)について取り上げた過去記事>

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