学会の年次大会に出席してわかったこと。学術の世界は奥深い

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先日(11/16・17)、夏に加入した経営行動科学学会の第22回年次大会(@立命館大学大阪いばらきキャンパス)に参加しました。入会のきっかけとなった「実務を裏付ける学術性」とは何なのかを、少しでも感じることができればと思ったのが、参加理由です。

大会スケジュール構成

2日の会期で、1セッションあたり30分(発表20分+質疑応答10分)が同時に5つ程度×14の時間帯で行われ、合間に基調講演・パネルディスカッションや会員総会、懇親会などでプログラムは構成されていました。発表者は大学教員だけではなく、企業の方や大学院生もおりました。

セッションとセッションの合間が5分しかないので、トレイに行くには時間も足りず次のセッションの教室への移動くらいしかできない状況。また、何かのきっかけで他の参加者と話すことになっても実際にはかなり難しいかなと実感しました。

研究途中段階の発表

ここからは、学会年次大会に参加して気が付いたことを記載したいと思います。

「一定の成果が出たことに関する発表」、というより、どちらかといえば「こういうことを研究して、こんな結果が出た。ただ、それは研究全体で言えばまだまだ途中というか初期の段階で、今後はこういったことを研究していきたい」といったものが圧倒的に多かったです。やはり「研究」という性質上、長期間にわたるものが多いのでしょう。

そのため、ATDHR Tech Conferenceのように「何か新たなトレンドやナレッジ」を得るというより、「こういった視点や疑問に対して研究を進めている」といったものを把握する場なのかなと思いました。

好意的な質問・アドバイス

20分の発表の後、質問の時間が設けられています。ここでは、発表内容そのものに関する疑問点についての質問が多いのですが、その中身が「用語・概念の定義や研究の前提」にフォーカスされていたなぁと感じました。もちろん、発表内容以外にも「こういう点についてはどうだったのか」といった質問もあるのですが、どちらかといえば、「研究の土台」となるものがしっかりふまえられているのか、というところに関心が高い参加者が多かったのが、今までのカンファレンスミーティングとは異なる点だと思いました。

また、発表者が大学院生や若手の研究者の場合、質問というよりも「こういう点についてもう少し掘り下げた方がよい」とか「この点について比較した方がよい」といったアドバイス的な内容のこともありました。

総じて好意的というか「研究されたことに対する一定の敬意」がみられると思います。

実務との乖離

仮説を立ててそれを裏付ける調査および数字的根拠を提示することが求められているので、どうしても「こちらが立証したい数字」が調査から出てこないために、「いろいろな苦労」をされていると感じる発表もありました。

この辺は、実務ベースでの発表だと「①こういう事例がありました。②そういったところから、こういう特徴がみられると思います」という展開でよいのですが、①と②の間に数字的(統計的?)根拠が無いと総ツッコミがあるという・・・。なかなか新鮮な風景でしたw

その結果、若干、実務の側面から見ると「その研究や発言はどうなんだろ?」と現実と研究との乖離を感じるものもあったので、研究というのは途方もなく時間がかかるものだなぁ・・・と思う次第です。

先行研究のレビュー

どの発表でも、自分の研究テーマや関連したテーマにおける過去の研究例はどういったものがあったのか、そしてそこから導き出される「定義」「前提」は何のなのかを明示していました。全く新たな研究が存在するわけではなく、「新しい」研究テーマだとしても、どこかに”ルーツ”となるものがあるということでしょう。

ただ、中には↑のツイートにもあるように先行研究についてのレビューだけで、自分自身の研究の内容については(あったのかどうかも含め)一切ふれないという発表もあったのは、斬新すぎて驚きました(笑)。

今後が気になるテーマ

色々な研究テーマの発表があり、これからも継続して研究を行っていく途中段階でのものだったので、今後(来年以降)の発表が楽しみです。例えば以下のようなものです。

  • 人事プロフェッショナルの育成に資する基本的特性尺度の開発
  • 部下育成のためのリフレクション支援
  • フォロワーシップとエンパワーメントとの関連
  • 体育会系の経験から獲得された行動特性による新卒採用後のトランジション加速可能性
  • 職場の心理的安全性
  • 新規事業創出経験を通じた中堅管理職の育成
  • 中小企業における外部人材の活用

自分で研究をやればいいじゃないか、という意見ももらいました。しかし、現在の事業を行いながらの研究を行うには、「時間」「統計分析」といったリソースやスキルが不足していると認識しています。そのため、これは来年も参加して情報収集しようと思いました。

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