TechCrunch School #10 「HR Tech最前線」に出席しました。セミナーにおけるアジェンダとファシリティーは重要

HR Tech
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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昨日開催されたTech Crunch School #10「HR Tech 最前線」に参加しました。2017年3月に開催されたTech Crunch School #09「HR Tech 最前線」の続編という位置づけだったので、どんな内容なのか楽しみでした。実際、セミナーの内容そのものから得たものは多かったと思います。ただ、セミナーというのはスピーカーが誰なのかということも重要ですが、それと同じくらいに、会場のファシリティーとアジェンダも重要であると改めて実感しました。

アルムナイリレーションと海外HR Tech動向を知った

最初の登壇はハッカズークグループの鈴木様。セミナー当日(2017年7月21日)に、「アルムナビ」というアルムナイリレーションにフォーカスしたサイトをリリースされたようです。人事は「採用から退職まで」をマネージする一方、退職後についてはほとんどかかわることはないのですが、退職者=(その会社の)卒業者=アルムナイという位置づけで、退職後も関係を継続していきましょう、ということだそうです。コンサルティングファームだとよくある考え方なので、もアルムナイという言葉は知っていましたが、それを軸にビジネスとして展開していらっしゃるようです。

海外のHR Techの動向についてがテーマだったので、聞いたことがあるサービスも聞いたことが無いサービスもいろいろと出てきて、新たなインプットを得たと思います。しかし、資料が投影されているスクリーンの位置の関係で、スピーカーが指しているところが全く見えず、話の内容とは関係のないストレスを感じておりました・・・。

自分の強みにフォーカスする傾向もあれば、他社を買収したり、機能拡張をすることによる機能の統合化の両方が進んでいるようで、その辺は日本も海外も変わらないと思いました。私は言語(日本語)の関係で、海外のサービスというのは、日本ですぐに展開されるというのは難しく(反対も然り)、それが日本独自の「サービス(今回で言えばHR Tech)のガラパゴス化」にもつながっていると認識しています。そのため、日本のHR Techは他国に比べると「遅れている」ように見えますが、発展の余地は十分にあるでしょう。

「すべてのHR Techはエンゲージメントに通じる」「複数のデータをあわせて信頼性を高める」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思いました。

事前打ち合わせで話した内容を共有してほしかった

30分の基調講演の後は、SCOUTER 中嶋氏、エン・ジャパン 寺田氏、フリーランスコンサルタント及川氏、TechCrunch Japan 西村氏(モデレーター)によるパネルディスカッションでした。

テーマがスクリーンに表示され、それに基づいてディスカッションされているのですが、なにせスクリーンの位置の関係で、何がテーマなのか見えない・・・。(この件、後述します)

それはさておき、パネルディスカッションの内容について。「求めている成果が明確」にすることで、どんな人を採用すべきなのかが明確になるはずである。それゆえ、企業における評価基準と採用基準は同一でないといけないのではという意見が出ていましたが、その通りですね!

また、どんなものでもよいから、ATS(Applicant Tracking System:採用管理システム)は入れておいた方がよいとのことです。エクセルなどのスプレッドシートだと「各面接者の評価は見せたくないが、どんな質問をしてどんな回答をしたのか、ということは共有したい」といったことに対応するのは難しいので、企業の規模が小さくても早い段階から何かしらのツールを入れることが重要だそうです。これがベスト!ということもなく、トライアルはたいてい無料なので、いろいろと使ってみるのもお勧めだそうです。

CV(職務経歴書)は常にアップデートしておくべきだそうです。転職をするための準備というよりも、自分がどんな仕事をしたのかという「ポートフォリオ」を最新版にしておくということだそうです。私も特に独立してから、これは心がけていたので、同じ考えの方がいた!って思いました。

全体的に「採用」とそれに関連したことがテーマだったと思います。どのスピーカーもHR Techに関して一家言持っており、腹落ちする内容でとても刺激を受けました。ただ、「内輪ネタ」を、参加者には知らせずに話していたような、どこか「置いて行かれていた」感じを覚えたのは気のせいかな・・・と思ったのですが、推測は当たっていました(笑)。

やっぱり。この辺の話はパネルディスカッションの中でも多少出ていたかもしれませんが、どうせならその内容を共有してくれれば、参加者も「置いてけぼり」感はおぼえなかったでしょう。あるいは、パネルディスカッション上で、事前打ち合わせで出た内容を「再現」してくれてもよかったのかなと思いました。

セミナーはファシリティーも重要

私自身が事業会社で研修の企画・実施も行っていたからでしょうか?セミナーにおけるファシリティーは、とても重要なんだなと改めて実感しました。

スクリーンの位置が低すぎる

まず、会場の構成上、スクリーンが床から低めの天井にむけて設置されており、投影された資料の最下部=スクリーンの最下部となっておりました。

そのため、最前列の方以外は投影された資料の半分以上が見えないため、資料のページが変わると前の方々が同時に首を横に傾ける「振り」を見ることができました(笑)。前から4列目に座っていた私も、この「振り」に参加していました(笑)。このような状況だったので、HR Techマップのようなものを使って説明されても、何を指しているのか全くわからない・・・。それならば、事前にその部分だけでもハンズアウトを配ってくれればよかったのではないかと思いました。

前回に続いて会場からの質問をうける「Sli.do」が導入されていましたが、最も参加者から支持された「質問」が「資料が見えないので、後日どこかにアップしてほしい」というリクエストでした。←これは是非ともお願いします!

Wi-Fiが無かった?

「Sli.do」にて質問を受け付けており、しかもテーマがHR Techという内容にもかかわらず、Wi-Fiが無かったです。何かしらの案内があったものを見逃していたのかもしれませんが、少なくても会場前方や周囲を見回した限りでは見当たりませんでした。

そのためか、参加者からの質問も参加者人数の割に少なかった上、「資料が見えないのに、見えていることを前提にセッションが進んでいる」といった意見がコメントされていたり・・・。

セミナー内容とアンケートの設問がちぐはぐ

セミナーにおいて、次回以降に活かすためにも参加者からのアンケートは取った方がよいでしょう。今回も紙のアンケートがあったのですが、その設問の中には、今回のセミナーの内容と関係ないものがあったように思えます。確かに主催者だから聞きたいのかもしれないけど、それとセミナーの内容とどう関係しているのかわからない、と思ったのは私だけですかね?どんなことを聞かれたのかは、ここでは差し控えます。

いずれにせよ、次回に期待しています。

そろそろ「HR Techとは何か?どんなところ(業務領域)で有益か?」ということのほかに、「HR Techをどう組み合わせて、何に活用しているのか」といったケースが出てきてほしいなと思いました。そのための人事業務設計やHR Techの選定・導入・運営支援といったことならば、お役に立てると思いますので、サービスメニューをご覧いただきご連絡のほど!

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