独立してからの保険の選び方は普段の思考回路がそのまま反映された

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この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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独立してから保険会社の方々と話す機会が増えました。会社員時代から将来の年金の補完的な目的で、生命保険に加入していたのですが、その件について「新たな商品が出て、(私に)メリットが多いので説明させてほしい」と連絡をもらいました。

いろいろと話した結果、今回は見送ることにしたのですが、その時の思考内容が自分が普段から考えていることそのものだったのではないか?と思ったので、今回はその辺を記事にしたいと思います。

ご提案内容

詳細を記載するのは割愛しますが、要するに「今と同じ保険掛金で、今まではついていなかった「三大疾病や要介護状態」になった時も保険金がおりるようになる」というものでした。たしかに、今までは生存して解約する以外は、「死亡」のみでしか保険金をもらう方法がなかったので、その点では「保険金をもらえる領域」が広がったと言えるでしょう。

ただ、もともと「生存している状況で年金の補完として」考えていたので、最初にこの話を伺った時、これが大きなメリットなのかどうかはわからないな、と感じました。

そもそも予想できないこと

三大疾病とは「がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中」のことです。日本人の死亡順位のワースト3に入るものなので、たしかにここを網羅しておけば、保険商品としてはカバーできる領域は広いと言えるでしょう。

ただ、「私」が三大疾病のいずれかにかかるのか・・・というと、現時点では何ともいえないし、それを予想することも難しいかと思います。そもそも、三大疾病ではない病気やケガにあうかもしれません。

定義されていた術式

さらに、この保険に関しては(たぶん、多くの保険がそうだと思いますが)、保険が下りる時の基準として「どのような手法で手術を受けるのか」が定義されていました。たしかに、「現在の医療技術」という視点では適切な定義なんだろうというのは、医療に関して素人の私でも理解はできました。

でも、それが保険を締結して、実際にそういう状況になるかもしれないXX年後においても「適切な術式」なのか・・・という点では疑問が残ります。医療の進歩はとても早いものなので、10年前に主流だったものが、今では既に時代遅れで使われない方法となっているかもしれません。

さらに、術式に関しては保険契約を締結した時点の定義が有効で、締結以降に見直しが行われることはないとのことでした。そうなると、「リスクの低い最新の術式」が後から現れたとしても、それを選択すると保険がおりないので、「従来のものを選択せざるを得ない」ということになるかもしれません。あるいは、「契約書に記載されていた術式と実際に受けた術式が実は異なっていたので、保険はおりない」といった「齟齬」も発生するかもしれません。

そういった「疑問」をたずねてみたのですが、やはりここで言ったからどうにかなるものではなく、そういうことならば「別に保険を見直す必要もない(=現状維持でよい)」という判断をしました。

用途が限られたものではなく幅広いもの

最初に話を伺った時から、何か「判然としないもの」を感じていたのですが、具体的には何なのかはわかりませんでした。しかし、それは保険会社の担当者と話していくうちに、自分自身の中で明確な「疑問」として言語化することができました。

「定義されたもの」を全く見直すタイミングが無いということが解せなかったようです。(自分のことなのに伝聞系(笑))長期的な契約の上、定義の範囲がかなり限定されるにもかかわらず、それに関する見直しの機会が全くないということに、現実性を感じられなかったです。

さらに、私が保険に求めているのは、「三大疾病で、かつ、特定の術式を適用した手術」の時だけに適用される用途が限定された保険ではなく、それよりも保障金額がさがったとしても「何かあった時に収入のかわりになるもの」や「将来もらう年金の補完」といった、用途が広いものなんだろうということに気づきました。

細かな変化に対応できる、ある程度の幅をもったものを選びたい、という普段の考えが保険選びにも反映されたようです。何が正解、という決まったものはなく、それぞれのライフスタイルなどによって選択するのが保険だと思うので、こういった考え方も一つの選択肢として参考になればうれしい限りです。

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