給与計算は後処理の方が大変。一人株式会社の税金や保険納付の方法を検討してみた

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この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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今は個人事業主として事業を展開(というほど大げさなものではないが)しているけど、来年の早い段階で法人化しようと思っています。その際にやらねばいけないことを抽出しています。それこそ、「決算時期の決定」「役員報酬の金額確定」「登記方法の調査」などをリスト化しているわけです。そういったことを行っている中で、気がついたことがあります。

給与計算処理よりも、その結果を使った後処理がとてもめんどうくさい

具体的に述べていきたいと思います。

そもそも給与といえば・・・

法人化すると、仮に社員(=社長)が1名だとしても給与処理が発生します。「給与」というと、計算する前の人事マスターデータの登録・勤怠データの取り込み、計算処理、会計転記、銀行振込データ作成といったことにフォーカスしがちです。

人事コンサルタントあるいは事業会社の人事担当として、人事業務にたずさわっております。給与管理についても、ERPパッケージソフトの導入や給与アウトソーシング会社との連携などを行ったこともあり、実務そのものは行ったことはなかったものの、それなりにかかわってきていたと自負しております。そういったこともあって、上記の「フォーカスしがち」なことに関しては、多少時間がかかったけど、何となく方向性が見えました。

  • 人事マスターデータの登録→一人分だけなので簡単
  • 勤怠データ→役員なので管理対象外
  • 計算処理→クラウドソフトを使えばOK
  • 会計転記→クラウドソフトを使えばOK
  • 銀行振込データ作成→1名分なので普通に振り込めばよい

<追記>

法人化してから、基幹業務システムとしてMFクラウドを使用しています。

個人事業主が法人成する時にやるべきこと。基幹業務システムの導入→クラウドMFシリーズで統一
法人化のための手続きも無事に終わり、「会社としてのインフラ」を整える段階となりました。といっても、一人会社なのでそこまで手間暇がかかるものではありません。個人事業主の時に使っていたものと、それをどう変.....

きっかけは年調

SmartHRやMFクラウド給与といったクラウドソフトを調べていたら、どれも「オンラインで完結する年末調整(以下、年調)処理」をしきりに強調していました。実際、今年くらいからそういったことに対応しているようで、北海道の某市にあるデータセンターに年調関連帳票を郵送していたサラリーマン時代とは変わってきたのだなとしみじみ実感しておりました。そんな時、ふと・・・

法人化したら自分自身の年調はどうするの?

ということを全く考えていないことに気づきました。←自社/他社の業務をあれこれ言っていた立場だったのに・・・。そのために、そういったクラウドサービスを使うなり、自分だけだから手書きでもいいかな、ということで解決のめどがたちました。

そこから芋づる式に・・・

年調については何となく解決したことをきっかけに、いろいろな懸念点というか全く考慮していなかったことが一気に湧き出てきました。気づきのプロセス(笑)を共有しましょう。

年調って所得税の調整だよね。ん?会社があずかっている所得税ってどうやって納付するの?

銀行振込しないと。どうやって?タイミングは?

所得税は毎月源泉徴収しているから、年調の時はそれほど大差はでないはず。え?そもそも源泉徴収した所得税って毎月どうやって納めているの?

所得税以外にも、会社が社員分を預かって納めるものって、住民税、社会保険とか労働保険があるよね?

住民税は普通徴収を継続させればいいや。社会保険と労働保険はどうやって納めるの?

社会保険は毎月、労働保険は年1?社会保険って算定処理もあるし、労働保険は概算と確定がありますけど・・・。

うげー!!めんどくさい!多くの会社が給与業務をアウトソースしている理由が、よくわかった(←今さら)

一人会社でもそういうサービスないのかな?調べてみよう。

最低でも10名は社員がいないと。さすがに無さそう・・・。じゃ、自分でやるにしてもどうやってやろうか?何を検討すべきか、方法案を洗い出さないと・・・。

調べてみました

かなりグダグダですが、ちょっとだいぶ面倒くさいかもしれない・・・ということがわかったので、どうすればよいのか調べてみました。

<前提>銀行口座について:法人用銀行口座はいわゆるメガバンクの場合は、口座維持費に月額2000-3000円くらいかかり、さらには法人化直後だと開設しにくいこともあるらしい。そういうこともあり、ネットバンク口座をまずは用意することになりそう。

(源泉)所得税

毎月徴収する源泉所得税は、納付書を作成した上で支払った月の翌月10日までに国に納める必要があります。ただ、常時10人未満の会社(団体)は、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を、6ヶ月まとめて納めることができる特例があります。(事前に申請が必要)

納付先は税務署。銀行振込はATMや窓口振込が可能。e-TAXを使えば口座振替やネットバンクでも振込が可能。紙の納付書作成→ATMや窓口振込が原始的で簡単だが、毎月ATMや銀行に行くのは避けたいです。e-TAXは使えるようにするまでの手続きがちょっと煩雑だが、それを乗り越えれば、ネットバンクも使えるのでこれが妥当かも。

労働保険

雇用保険は一人会社で誰も雇わなければ発生しません。労災保険は、会社設立直後にその年度分の概算額を納めます。次年度の毎年5月~6月に労働保険料申告書が送付されるので、前年度の確定額(=概算額との差額)と今年度の概算額を前払いすることになります。労働保険料申告書に必要事項を記載して納付すれば完了です。口座振替も対応しているが、ネットバンクは対象外らしいです。これは年1回の処理なので、マニュアルで振込処理を行ってもいいかもしれません。申告書を作成するための元ネタは、クラウドサービスを使えば問題ない・・・はず。

社会保険(健康保険・厚生年金)

これが曲者でした。日本年金機構に納付します。毎月20日ごろを目途として、日本年金機構から各事業所へ「保険料納入告知書」が郵送されるので、それを使って月末までに振り込むというのが原則です。10日しか猶予が無い!!

指定口座から口座振替も可能だが、これもネットバンクは対象外。電子納付「Pay-easy」が使えるので、これで対応するのが妥当かなと・・・。←ほかに方法があればご教示下さい!

これに関連して、算定処理はクラウドサービスで対応できるので、それを使って申告することになるでしょう。月変は発生させないように、役員報酬変更時期も配慮しよう・・・。

住民税

社員が1名しかいないなら、普通徴収を継続させるのが最も手軽だと思いました。こちらは、既に口座振替手続きも完了しているし、直接、住民税を地方自治体に支払っているのにそれをあえて「会社経由」にする意味も無いので、変更しないのが一番よいでしょう。

法人税

給与とは関係ないですが、会社としては必要なこと。これは決算後2ヶ月以内に納めることになります。クラウド会計ソフトにお世話になって、必要な書類などをそろえることにする、ということで今回は終了。そもそも、まだ決算月も決めていないし(笑)。

給与処理、結構手間暇かかります。

<追記>

法人化してから実際にどのように対応したのかを、続編として記事にしています。

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