どうせなら長所をこれでもか!というくらい伸ばした方がよい

コンピテンシー
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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人にはそれぞれ長所と短所があります。企業で仕事を行っていると「人事評価」の中で、業務上の長所と短所(以降、「改善点」という言葉にします。)を記載するところは多いでしょう。また、「改善点」をどのように改善していくかということを、自己評価→上長からのフィードバックという形ですりあわせるというのが通常かと思います。

この辺をクリアにしたり、共有するのは必要なことかもしれません。ただ、実際に「改善」する時間があるならば、長所をさらに伸ばす方に集中した方がよいのではないかという私見を記載したいと思います。

人は褒められた方が伸びる

仕事上のふるまい・行動・能力は変わることはあるし、変えることができます。しかし、社会人になるような年齢だと、根本的な性格や特質は大きく変わることはないです。

もちろん、中には「叱られて伸びる」タイプの方もいらっしゃるでしょう。でも、人間って「叱られる」「何か(マイナスなことを)指摘される」よりも「褒められる」「認められる」方がうれしいと感じるのは間違いないし、それによってやる気が出てくるのは、ごくごく自然のことだと思います。褒められてばかりだと、その状況に得意になって何も進歩がなくなるのでは?という指摘もあるかもしれません。それならば、「それだけの人だった」ということです。そう割り切りましょう(笑)。

改善点を克服してもせいぜい平均レベル

改善点についてあれやこれやとがんばったとしても、せいぜい「人並み」になるくらいかと。しかも、そこに到達するのに結構な時間や労力がかかるはず。例えば、私は「プログラミング」が全然できないのですが、ここを何とかできるようにするのは結構な苦痛だったというのが実感です。時間はかかるし、苦痛以外の何物でもなかった。「Clear Table」命令を一行目にセットしないとダメってどういうことよ・・・・。

これは行動特性、いわゆるコンピテンシーでも同様。改善点については、無視していいとまでは言い切りません。少なくとも、その改善点によって思いっきり足を引っ張られるようなことがない程度であれば十分。そこを何とかする労力があるならば、「長所をもっと伸ばす」方に注力したほうが、それに引っ張られる形で、結果的に改善点の改善にもつながるでしょう。

5個褒めてから1個の改善点を話すくらいのつもりで

業務上の評価をする立場にある上長は、まず、良いところが何なのかを普段から「観察」して記録しておくことです。この記録が重要。たいていは忘れてしまうので、書式はざっくりと日付と具体的な行動内容を記載するだけででもよいでしょう。評価シーズンになってから、それを見直して何が部下の長所なのかを掌握するのも重要ですが、日ごろからちょっとした時間にそういったことを話す機会(インフォーマルで十分)を持っていると理想的です。

実際に評価フィードバックの時はどうしても、「未達だった目標」「できていない行動」といったところばかりにフォーカスを当ててしまいますが、その前に、じっくりと「達成した目標」「できている行動」について褒めつつ、なぜ達成できたのか/できているのか といったことを一緒に話すことが先決です。その後に、さらっと改善点を話すという段取りです。イメージとしては、5個褒めた後に1個の改善点をフィードバックし、しかも、長所を伸ばすほうにフォーカスしましょう。

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